今年の夏は暑かったですね。熱中症の心配もあり、子どもたちを長時間外で遊ばせることもできなかったのでは?ようやく秋らしい風も吹きはじめ、これからはお散歩日和。この季節の楽しみが、紅葉と木の実拾いです。そんな秋の魅力がつまった絵本が『おべんともって』(森山京 作 片山健 絵)。くまの子が森で仕事をしているお父さんにお弁当を届けにいくお話です。片山健さんの描く森の紅葉がきれいで、私も「おちばのふとん」で寝たくなりました。また、最後のページの薪を背負ったお父さんとかごにおみやげの紅葉を持ったくまの子が並んで帰る姿もいいんです。
保育士をしていた頃には毎秋、子どもたちとどんぐりを拾いに行き、どんぐりマラカスを作ったり、クリスマスのリースの飾りにしたりしました。 拾ってきたどんぐりは、一度煮てから(虫対策)使っていましたが、色・ツヤが落ちてしまい、残念に思っていました。以前通信でも紹介した子ども農業雑誌『のらのら2013 秋号』の「家の近くの木の実で遊ぼう」では、冷凍庫で一週間くらい置いてから使うといいと紹介してありました。それなら色・ツヤを損なうことなく虫対策ができそう。その他にもドングリ笛のネックレスをはじめ、ドングリでできるクラフトなどが紹介されています。
またクラフトだけでなく、玄関や棚の上のちょっとしたスペースに、拾った木の実や落ち葉を飾って季節を楽しんでもいいですよね。一緒にリスのぬいぐるみやきのこの小物を飾っても素敵です。ケーセン社の動物たちは本物をスケッチして作られているのでとてもリアルです。木の実とリスは一緒になると物語が広がります。『木のうた』(イエラ・マリ)は、四季の移ろいの中で、落葉樹とリスの関わりが美しい絵で表現されている文字のない絵本です。
リスが越冬のために埋めておいたものの残りが芽を出し、木が育っていくのもまた、自然を知る興味深い話です。『どんぐり』(こうやすすむ)はそんなどんぐりと動物たちの様子を絵でわかりやすく教えてくれます。
年長さんや小学生くらいになると科学的なことにも興味が出てきますので、図鑑に近い絵本もいいです。『どんぐりノート』(大滝玲子・いわさゆう)はどんぐりの見分け方、さらに遊び方や食べ方まで。『たねのずかん』(高森登志夫 絵 古矢一穂 文)は木の実だけでなく、野草のタンポポの綿毛のタネやオナモミなどのくっつくものもあるのでおもしろいです。
でもでも、こんなに紹介しておきながらなんですが、私はそんなに教え込まなくても、とも思うんです。子どもの中から「?」が出た時に答えられる絵本がそばにあればよし。それまでは大人はじっとこらえて待つ。「へぇ、そうなのかぁ!」って発見や感動は、そのことに関しては初めの1回きり。だからこそ大切にしてあげたいですよね。