ヒト(2014年02月号)

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毎月、テーマにまつわる絵本やおもちゃをご紹介しているこのコーナー。今月のテーマは、「ヒト」。なんと大きなテーマにしてしまったのでしょう。ということで、今回はスペースもいつもより多くもらっちゃいました。

「ヒト」と一言で言っても、いろんな捉え方が出来ますよね。ホモサピエンスな生物学的なヒト。関係や役割を担っているヒト。お姉さんなヒト、お母さんなヒト、ご近所さんなヒト、お店屋さんなヒト。それから、人種、地域や国の違う、日本のヒト、外国のヒト、など様々です。

ソフトべビー

「かぞく」
保育園、幼稚園などに通うまでしばらくは、家族・家庭が子どもの世界のほとんどです。とりわけ、母親の存在は大きいです。ごっこ遊びが始まると一番はじめにするのは、お母さんの真似ごと。お母さんの口癖までそっくりにコピーするのがこれまたおもしろいです(笑)。ごはんをつくり、掃除や洗濯などの家事をし、子どもの世話をする。もちろん、男の子だってままごとをします(時々、男の子の遊びじゃないと思っている方もいらっしゃいますが)。子どもは、大人がすることは何でもあこがれます。その気持ちを実現できるのが遊びの中です。この時期に用意してあげたいのが、ままごと道具。TKままごとセットは、お鍋からお皿までほぼ揃っているので、これからままごと道具を揃える方にオススメです。お世話人形なら、ソフトべビー。着替え服の種類も豊富で、他に百町森オリジナルのおむつカバーやおんぶひももあり、お世話しやすい人形です。

兄弟(姉妹)の関係も成長にすごく大切だなって思います。最近は一人っ子も多いですが、保育園などでの縦割りクラスや、小学校での縦割り活動でも似たような関係ができているように思います。「あさえとちいさいいもうと」(筒井頼子さく 林明子 え)はそんな姉妹の関係を子どもの目線で描いたすばらしい絵本の一つです。読んでいると、子どもたちは主人公のおねえちゃん、あさえになりきって聞いているのが表情でわかります。

また、兄弟が生まれるのでそういう絵本を探しているとお店に来るお客様がよくいらっしゃいます。何冊かオススメはありますが、その中でも私がよくご紹介するのは「あやちゃんのうまれたひ」(浜田桂子さく・え)です。赤ちゃんが生まれて、お兄さん、お姉さんになるのよ、というのもいいですが、自分がおなかにいた時や、生まれた時の話をしてもらうのも、うれしいのではないかと思うのです。

「からだのしくみ」
子どもって本当によく転びますよね。ひざっこぞうを擦りむいて傷をつくってる。そんな傷口やかさぶたを見て、自分の体の中ってどうなってるんだろう?と、ヒトの体の仕組みにすごく興味を持つ時期があります。「かさぶたくん」や「はなのあなのはなし」(やぎゅうげんいちろう・さく)はまさにこの時期の子たちの心をガシッとつかんだ絵本です。表紙を見ると絵も印象的なので、自分が子どもの頃に読んだことを覚えている親世代も多いのでは?血が固まって、そのうち剥がれて傷が治る。不思議ですよねー。そんな子どもの気持ちをちゃんとわかってるなぁっていう絵本です。さらに、こんなヒトの体の中を骨や筋肉ごとに分けられたパズルなんていうのもあります。大人が見るとちょっとグロテスク...、なんていうのも子どもは大好きってこともよくあります。

ハンドインハンド

「せかいのひとびと」
子どもたちの視野がどんどん広がっていくと、他の国や世界のまだ見た事のないものにも興味、関心が出てきますね。最近は、テレビなどで、オリンピックやワールドカップなどのスポーツを通して外国に興味を持つことも多いのかもしれません。そんな時にぜひオススメしたいのが「せかいのひとびと」(ピーター・スピアーえとぶん)です。子どもの頃ってどこが強い、弱い、誰が偉いなど、順位をつけたり、判断基準が良い、悪いだけだったりと狭くなりがち。自分と違う人種のヒトがいて、違う文化を持っている。この絵本はいろんなヒトが、いろんな土地で、いろんな暮らし方をしていて、それぞれがそれでいいんだなぁと思わせてくれるような気がします。子どもが外国に興味を持ってきたら、親子で一緒にこんな絵本を読みながら話すもよし、子どもが自分でいろいろ思いめぐらせ、感じるもよし。子どもが知りたがっているその必要な時に、きちんとした知識を持つことができれば、偏見を持つ事なく子どもたちの世界は広がっていくのではないでしょうか。