保育士をしていたころには、春が近づいてくると、「新年度の担任はどうなるかな?」とソワソワしはじめていました。そして、子どもたちにも春に進級する事が楽しみになるように話をしたりします。年長さんは、慣れ親しんだ幼稚園や保育園からまったくの新しい世界、小学校に入学するという一大イベントが待ち構えています。大人の想像以上に不安と期待が小さな体いっぱいになっていることでしょう。ドイツの古典絵本『うさぎ小学校』(アルベルト・ジクストゥス文 フリッツ・コッホ=ゴータ)は、洋服を着て、かばんを背負い登校するうさぎの小学生の姿、授業を受ける様子がキュートです。うさぎならではの授業もおもしろい♪小学校に行くのを少し不安に思っている子と一緒に楽しんで読んでほしい1冊。
年少さんくらいですと、大人都合の4月にみんなで一斉に大きくなる?(進級する)がまだよく理解できない子もいるでしょう。
『おおきくなるっていうことは』(中川ひろたか・文 村上康成・絵 )にあるように「ようふくがちいさくなること」のほうが実感としてよくわかります。もう一つ、そんな洋服のおさがりのお話、『ぶかぶかティッチ』(パット・ハッチンス作・絵)も兄弟とのやりとりもあり、おもしろいです。また、幼児期になると、背比べもよくします。柱にキズをつけてなんてもう古いかもしれませんが(私はしてました...)、身長計があれば、そこには名前や日付を書き込んでもいいかも。何年後かに見返すと自分の成長がよくわかるし、思い出になりますよね。引っ越したり、建て替えをしてもとっておけます。ヘラー社の身長計は、かわいくシンプルなので子ども部屋やみんなが集まるリビングにオススメです。
幼稚園や小学校に入り、子どもたちが一番嫌なのは大好きなパパ、ママと離れることなのかも。『おかあさんは、なにしてる?』(ドロシー・マリノ作・絵)はこぐまの「くんちゃん」シリーズでおなじみの作者。子どもたちが、幼稚園や学校に行ってる間、おかあさんは何をしているの?子どもも親も、ふとした時に、今頃何してるのかなぁとお互いを思ってたりしますよね。そんな母と子のあたたかい関係を描いた絵本です。今日は何してたの?と話をするきっかけにもなりそう。
そして、新しい生活が始まると、親も子も心配なのがおともだち。すぐに仲良しの子ができるだろうと思いつつも、やっぱり心配。私は『コッコさんのともだち』(片山 健 さく・え)が好きです。仲良くなったり、けんかしたり、大人の理屈ではわからない、子ども同士が理解し合える絶妙な関係が子ども目線で描かれています。大人は余計な事は言わず(すっごく言いたくなるのですが)見守った方がいい事が友達関係ではよくあります。色々あっても、やっぱり新しいお友達ができるのは楽しみですよね。春よ、来い♪