夏休みに入りましたね。この時期になるとキャンプに行ったり、おじいちゃん、おばあちゃんの家やお友達のところへ一人でお泊まりをしに行く子もいるのではないでしょうか?「はじめてのおつかい」同様に「はじめてのおとまり」も楽しさ半分、不安半分。本人も親もドキドキですよね。
私は、保育士になる前は子ども向けのキャンプを主催する団体で働いていたこともあり、そういう子どもたちの姿を間近に見てきました。昼間は元気いっぱいの男の子でも夜はテントの中でシクシク泣いてたり。それを友達同士で励まし合っている姿が印象的でした。「はじめてのキャンプ」(林明子 さく・え)は小さな女の子のなほちゃんが大きい子にまざって初めてのキャンプに行くお話です。キャンプには重い荷物を自分でを持って行かなくちゃならなかったり、ごはんも自分たちで作らなきゃ、トイレだってこわくても一人で行く。といろんな課題を乗り越えてなほちゃんもキャンプにいく事ができます。創作童話シリーズではありますが、林明子さんのすてきな絵がたくさんありますので、絵本のように楽しめます。
キャンプで山の中へ行く!となるとハードルが高いと躊躇してしまう方もいるとおもいますが、家の中やお庭にテントを張るだけでも十分いつもとちがうキャンプ気分が味わえます。私の姉はばばばあちゃんのシリーズが大好きです。「やまのぼり」(さとうわきこ さく・え)のお話の中で、ばばばあちゃんが家の屋根を山に見立てて屋根の上でご飯を食べたりするのにずっとあこがれていたとある時、絵本の思い出話をしていたときに言っていました。彼女はその夢を大学生になってからかなえたとうれしそうに言っていました。子どもの頃に大好きな絵本に出会えるとそれは一生の宝物になるんですよね。
さて、キャンプには持って行けませんが、誰かのお家に一人でお泊まりする時にはお友達人形もぜひ一緒に連れて行ってあげて欲しいものです。一人で心細く不安になる時は必ずあるはす。その時に支えになってくれるのが普段からいつも一緒の人形などでしょう。「かしこいビル」(さく ウィエイアム・ニコルソン)はメリーがおばあちゃんちにお泊まりに行くまでのお話で、トランクに荷物の準備をしていきます。しかし、大事な兵隊の人形ビルを忘れていってしまいます...。訳者吉田新一、松岡享子の解説も一緒に読むと、文章になってない描き込まれた絵についても理解が深まり、一層楽しめますよ。
最後に、新刊「いえでをしたくなったので」(リーゼル・モーク・スコーペン文 ドリス・バーン絵)をご紹介。家出をして、大好きな木、池、洞窟と兄弟で引っ越して行きます。最後にたどりつくのはやっぱり...。家出にあこがれる子どもたちに読んでみては。